2015年6月26日金曜日

「オイラー」勉強ノート0004








今日は勉強会をやった。


指数法則、までを扱った。

いくつかのことについて、
詳細に扱ったのでそれを掲載したい。

ひとつめは、
三角不等式」について。

-ここに掲載された内容には誤りがあったので、後の記述に譲ることにする。-


ふたつめは、
ロバートソンの方法」についてである。
ロバートソンの方法を、$0.3\dot{1}\dot{8}$の場合について、
等比級数の方法から導出した。
$0.3\dot{1}\dot{8}$は、以下のような一般形で与えられる。
\begin{eqnarray} 0.3\dot{1}\dot{8} = \frac{3}{10} + \sum_{n=1}^{\infty} \frac{18}{10^{2n+1}} \end{eqnarray} さて、いま注目したいのは、この右辺第2項である。
ロバートソンの方法によれば、これは$\frac{1}{10} \cdot \frac{18}{99}$のように書かれるという。
いま、右辺第2項の無限等比級数の和の値を$A$とおく。
すると、
\begin{eqnarray} A & = &\frac{18}{10^3} + &\frac{18}{10^5} + \cdots + \frac{18}{10^{2n+1}} & \\ \frac{A}{10^2} & = & &\frac{18}{10^5} + \cdots + \frac{18}{10^{2n+1}} & + \frac{18}{10^{2(n+1)+1}} \end{eqnarray} とかける。このふたつの式の差をとってやると、
\begin{eqnarray} \left( 1 - \frac{1}{10^2} \right) A = \frac{18}{10^3} - \frac{18}{10^{2(n+1)+1}} \end{eqnarray} ところで、いま、$n$は無限まで飛んでいるのであった。
つまり、右辺第2項は0となる。
これより、
\begin{eqnarray} \frac{99}{100} A = \frac{18}{10^3} \end{eqnarray} とかけ、
\begin{eqnarray} A = \frac{18}{10^3} \frac{100}{99} = \frac{1}{10} \cdot \frac{18}{99} \end{eqnarray} こうして、ロバートソンの方法が再現された。
答え自体は、計算してやれば、$\frac{7}{22}$となる。

おわり。

2015年6月16日火曜日

「オイラー」勉強ノート0003






1.パスカルの三角形

1.2 二項展開とパスカルの三角形

1.2.1 計算の法則

[係数単項式/多項式整式)・有理式分数式)]

加法・乗法に対して、
交換法則結合法則分配法則
が成り立つ。

指数
以下を指数法則という。

$a^m a^n = a^{m+n}$, $(a^m)^n = a^{mn}$, $(ab)^n = a^n b^n$
(本当はもうちょっと一般的な書き方もあるとは思うが、今はこれでよい)
$a^0 = 1$, $a^{-m} = \frac{1}{a^m}$だよ!

二項展開
$(a+b)^n$の展開を二項展開という。
そこに出現する係数を二項係数という。
二項係数はパスカルの三角形を描く。

階乗
自然数の階乗を以下のように約束する。
$1! = 1$, $2! = 1 \times 2$, $n! = 1\times 2 \times \cdots \times n$
(本書では0の階乗も$0! = 1$として定義している。「自然数の階乗」と言っており、この本での自然数は0を含まないが、そこはご愛嬌。)

偶数だけ、奇数だけの掛け算は階乗記号を2つ書くことであらわす。

\begin{eqnarray}
(2n)!! &=& 2 \times 4 \times \cdots \times 2n \nonumber \\
&=& 2^n n! \nonumber
\end{eqnarray}
\begin{eqnarray}
(2n -1)!! \times (2n)!! &=& [1 \times 3 \times \cdots \times (2n-1) ] \times (2 \times 4 \times \cdots \times 2n) \nonumber \\
&=& 1 \times 2 \times 3 \times 4 \times \cdots \times (2n-1) \times n \nonumber \\
&=& 2n! \nonumber
\end{eqnarray}
以上より、
\begin{eqnarray}
(2n -1)!! = \frac{2n!}{2^n n!} \nonumber
\end{eqnarray}

1.2.2 二項定理

二項係数を、以下のように書くことができる。
\begin{eqnarray} {}_n \text{C} _r \equiv \frac{n!}{r! (n-r)!} \nonumber \end{eqnarray}
または
\begin{eqnarray} \binom{n}{r} \equiv \frac{n!}{r! (n-r)!} \nonumber \end{eqnarray} ここで、$r$はダミー変数である。
これは$n$個から$r$個とる組合せである。CはCombinationの頭文字である。

[添字代入総和の記号]

二項展開を表す規則、二項定理を以下のように表す。
\begin{eqnarray} (a + b)^n = \sum_{k=0}^{n} {}_n\text{C}_k a^{n-k} b^{k} \nonumber \end{eqnarray}

パスカルの三角形の構造は、 以下のような二項係数の相互関係を表す式で表される
 \begin{eqnarray} _n\text{C}_r + {}_n\text{C}_{k+1} = {}_{n+1}\text{C}_{k+1} \nonumber \end{eqnarray}

定義に従えば計算できるが、最後だけ以下のような工夫が必要である。
\begin{eqnarray} \frac{(n+1)!}{(k+1)!(n-k)!} = \frac{(n+1)!}{(k+1)![(n+1)-(k+1)]!} \nonumber \end{eqnarray}

2015年6月15日月曜日

「オイラー」勉強ノート0002






1.パスカルの三角形

1.1 数の種類

1.1.2 実数

有理数無理数は、で表せるかの違いである。
英語では、rational / irrational numberといい、そのままの意味である。
この後、不等号が導入され、大きさの評価ができるようになった。

このあと、記法の整備が行われた。

閉区間は、 $\leq$ で、表記には [ や、●を使う。
開区間は、$<$で、表記には ( や、 ○を使う。

また、絶対値を定義した。

さて、三角不等式は以下のように導く。

-三角不等式についての記述には誤りがあった。後の記述に譲る。


この後、
循環小数実数の連続性を扱った。

循環少数の機械的な分数への直し方のアルゴリズムとして、
ロバートソンの方法が紹介された。
循環小数に対して、9を分母に当ててやればよい、と言う方法で、
これはまた面白い。

「オイラー」勉強ノート0001






いまさらながら、吉田武著『オイラーの贈物』を読み始める。
勉強ノートをここにつけていくつもりだ。


1.パスカルの三角形

1.1 数の種類

自然数整数分数有理数無理数実数虚数複素数が列挙され、
それぞれの集合の関係がまとめられている

また、分数において、循環小数有限小数が紹介されている。

1.1.1 自然数と素数

素数 - 自然数のうち、約数を持たないもの
合成数 - 素数以外の自然数

素因数分解 - 合成数を自然数の積で表すこと

素因数分解には積の順序をのぞいて、一意性がある。
素因数分解の一意性を保持するためには、
素数に1を含んではいけない。

∵)
1を素因数分解の分解につかえるものとして認めてしまうと、
$2 \times 3 = 1 \times 2 \times 3 = 1 \times 1 \times 2 \times 3 = \cdots$
となり、一意性が保持されない。

この後、エラトステネスの篩が紹介される。
$N$までの素数を求めるには、$[ \sqrt N ]$までの素数の自然数倍をとりのぞけばよい。
基礎的なアルゴリズムである。

2355のアニメを紹介する。いつリンク切れするかわからないけれども。



Please Comment on my Codeというページのエラトステネスの篩シュミレータについても紹介しておく。